料理1品・1人前あたりの原価の計算方法(レシピ原価計算)と具体例
レシピで使う分量の食材費を合計し、実際に取れる人前数で割ります。ラザニア1台分の食材が18€で6人前取れるなら、1人前の食材原価は3€です。これがレシピ原価計算の基本で、人件費・光熱費・家賃などの経費はまだ含まれていません。以下で具体例を通して詳しく見ていきます。数字はすべて説明用の例なので、必ずご自身の仕入れ価格を使ってください。
01レシピ原価表とは何か、何に役立つのか
レシピ原価表(スペインではescandalloと呼びます)は料理1品のコストカードです。どの食材をどれだけ使い、それぞれいくらで、何人前できるかをまとめたものです。根拠のある価格設定ができ、どの料理の利益幅が大きいかが分かり、仕入れ先の値上げにも早く気づけます。原価表がなければ、メニューの価格は勘に頼ることになります。
02ステップ1:食材・分量・仕入れ価格
レシピ全体で使う分量と、同じ単位での仕入れ価格を食材ごとに書き出します。kg単位で買うならkgで、リットル単位ならリットルで数えます。各行の原価は「分量×単価」です。例として、6人前のミートラザニア1台分:
| 食材 | 分量 | 仕入れ価格 | 原価 |
|---|---|---|---|
| 挽き肉 | 1.2 kg | 8.50€/kg | 10.20€ |
| ラザニアシート | 0.5 kg | 4.00€/kg | 2.00€ |
| トマトピューレ | 1 kg | 1.80€/kg | 1.80€ |
| 牛乳 | 1 L | 1.00€/L | 1.00€ |
| バター | 0.1 kg | 9.00€/kg | 0.90€ |
| 小麦粉 | 0.1 kg | 1.00€/kg | 0.10€ |
| 粉チーズ | 0.2 kg | 10.00€/kg | 2.00€ |
| レシピ合計(6人前) | — | — | 18.00€ |
03ステップ2:実際に取れる人前数で割る
1人前の原価=レシピの総原価÷人前数。例では18.00€÷6=1人前3.00€です。ポイントは「実際に」という点です。レシピ上は6人前でも、盛り付けが多めになって5人前しか取れなければ、実際の原価は18.00€÷5=3.60€になります。実際に取れる量を何度か計量・カウントし、その数字を使いましょう。6人前を確保したいなら、レードル、重量、カットの大きさなどで1人前を標準化します。
04ステップ3:ロスと歩留まりを考慮する
多くの食材は100%使えるわけではありません。魚は下処理し、野菜は皮をむき、肉は加熱で重量が減ります。丸ごとのイカを10.00€/kgで仕入れ、下処理後に1kgあたり0.7kgが使える(歩留まり70%)なら、処理後1kgの原価は10.00€÷0.7=14.29€です。原価表には請求書の価格ではなく、使える部分の原価を使いましょう。そうしないと、どの料理も実際より安く見えてしまいます。この歩留まりロスは、捨てられる「廃棄」とは別物で、廃棄は別に記録するのがおすすめです。
05ステップ4:フードコストと粗利(利益ではない)
フードコスト率は、1人前の食材原価を税抜きの販売価格で割ったものです。ラザニアを税込12.00€(スペインの飲食サービスの付加価値税10%)で売る場合、税抜き価格は12.00€÷1.10=10.91€で、フードコスト率は3.00€÷10.91€≈27.5%です。残りの10.91€−3.00€=7.91€は粗利で、ここから人件費・家賃・光熱費などすべての経費を払ってはじめて利益の話になります。適切なフードコスト率は業態や他のコストによって変わります。大切なのは料理ごとの数字を把握し、その推移を見守ることです。
06価格が変わったときに見直すこと
仕入れ先が価格を変えるたびに食材の原価を更新し、その食材を使うすべての原価表を見直します。例で肉が8.50€/kgから9.50€/kgに上がると、レシピは1.2kg×1.00€=1.20€上がり、18.00€から19.20€になります。1人前は3.00€から3.20€に、フードコスト率は27.5%から3.20€÷10.91€≈29.3%になります。この数字をもとに、吸収する、盛り付け量を調整する、仕入れ先を変える、価格を上げる、といった判断をデータで下せます。レシピ、1人前の量、販売価格を変えたときにも原価表を見直しましょう。
07Tablezioでのレシピ原価管理
Tablezioのレシピモジュールでは、各レシピを食材(分量・単位・単価)と出来高(人前、個、kg、リットル)とともに登録します。保存すると、Tablezioがレシピの総原価と1人前の原価を計算します。食材の価格が変わったらレシピ内で更新すれば、保存時に原価が再計算されます。この1人前の原価と税抜き価格を使って、ステップ4のようにフードコスト率を求めます。レシピ機能はProプランに含まれています。
レシピ原価計算は高度な会計ではありません。実際の仕入れ価格と実際の人前数で行う、いくつかの掛け算とひとつの割り算です。売れ筋上位5品から始め、価格が変わるたびに見直せば、メニューをしっかり管理できます。